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zoom RSS ビーチで読んだ本

<<   作成日時 : 2018/04/02 20:12   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 12 / トラックバック 0 / コメント 8

このところ読むことが一番楽しみな作家「磯田道史」氏の作品です。


画像


以前、彼の「無私の日本人」という本に出合い、名もなき普通の日本人が人知れず全体のために努力する姿に感動して以来、この作家がとてもとても気になっていました。 Eブックで2か月ほど前に購入していたのですが、忙しすぎたためにそのままにしてありました。

今回旅行の最後にビーチでのんびりするチャンスがあり
ようやく読めました。

今回の作品もとても良かったです。


物語風な大ロマンや波乱万丈なストーリーはなく、
彼が調べた事実を淡々と書き連ねているわけですが、
そこに見えてくる武士という当時の存在がリアルに感じられます。

一つの血筋に流れる生真面目さ、コツコツと何代も努力し続けることの価値。
それが目立たぬところで静かに蓄積してゆく親族の力となります。


武士にとっては危機ともいえる幕末維新から明治にかけて
代々積み上げてきた実直性が生き、時代の荒波にも関わらずに一族が難なく乗り越えていく様子など。

武士にとって大政奉還、そして文明開化の時代とはどういうものだったのだろうかという以前からの私の疑問に答えてくれたような、そんな気がした本でした。



時間が経ったら再び読みたいと思わせるものがあります。


一番驚いたのが、下級武士たちの経済的問題でした。
報酬を得ているとはいえ、雇える使用人の数にも限度があり、
武士であるからこその必要経費というものも馬鹿にはなりません。

それでも武士としての威厳を保つには必要な出費であり、
さて、どこでそのお金を工面するのか?

なかなか大変だったと思われます。
多くの下級武士がほとんど借金をしていた、という事実には驚きます。

作者があとがきで書いていますが、

「正直なところ、私にはこれからこの社会がどのようになっていくのか、不安で仕方がなく、『明治の人はどうしていたのか』と問いかけずにはいられなかった。・・・・・・・大きな社会変動のある時代には、『今いる組織の外に出ても、必要とされる技術や能力を持っているか」が人の死活を分ける」


とこのように書かれています。なるほどなあ〜〜〜と感心しました。

なんかすごく考えさせられるあとがきでもありました。


ありがとうございます〜磯田道史さん!
私ももう一度考えてみます。


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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
私が武士の家計簿を知ったのは、本ではなく映画の宣伝でした。本も映画も見ていませんが、名もなき人を描いたものは好きです。
無私の日本人、武士の家計簿を読んでみます。
すずりん♪
2018/04/02 21:13
彼の作品は小説スタイルではないので、好きな人と嫌いな人に分かれると思います。「武士の家計簿」は古書を入手し、それを読み解いて説明してくれるような形ですので、大学の授業を受けているような印象の文章です。でもそこに含まれた意味が深いと感じます。一度お試しを。
すずりんさんへ
2018/04/02 21:58
磯田道史さんの著作ですか、可成り地味というか、真面目な本ですね(微笑)。
私はまだこの本を読んでいませんが、araraさんが印象深く感じられたのは、私にもよく理解できます。
磯田さんは作家と言うよりは、歴史家ではないでしょうか。大分以前から、NHKの歴史番組で解説者としてよくお見掛けしておりましたが、最近では民放の報道番組にもレギュラーコメンテーターとして登場するようになりました。それほど注目されている先生です。
その裏付けとなっているのは、磯田先生独特のしっかりした検証力に裏づけされた独特の歴史観ではないだろうかと思います。よい本に出会えましたね。
あきさん
2018/04/03 10:11
私は映画も本も読んでいます。面白いですよね。やはり事実は小説や物語より面白いですね。昔の蔵に眠る、当時の古文書を読み解きその時代の人々の考え方を探る。日本人の行動の原点が分かるようですね。
NHKの「英雄たちの決断」のMCで出演していますが素晴らしい人ですね。
What's up?
2018/04/03 11:12
確かに彼は作家というよりも歴史家の側面を強く感じます。最近はテレビにも出て、だいぶ注目されているのですね。読んでいると冷静沈着な歴史研究家という印象が残ります。この本を書くきっかけとなった古書に出会った時の彼の興奮ぶりが、研究者の歓びというか、伝わってくるものがありました。
実際にこれから大きく変動していく世界の中で、人はどのように自分の力を発揮できるのだろうか?時代に合わせて生きていけるのだろうか?ということは私もずいぶん気になっています。納得できるような彼の結論に唸るしかなかったですね。
あきさんへ
2018/04/04 02:27
映画もご覧になりましたか。これを映画化するのはちょっと大変だったかもしれませんね。本にかかれたままというよりもその中の一部を表現した映画だったのかもしれませんね。テレビに出ていらっしゃるようですが、一度見たいものです。イメージ通りかどうか、確認したいような気持があります。
what's up?さんへ
2018/04/04 02:30
「武士の家計簿」はDVDをレンタルして観ました。
私は殆ど本で知るのですが、本を読む前にたまたま夫が
レンタルして来ました。
そうですね、本の方がきっともっと細かく描かれているかも知れませんね。
磯田道史さんは歴史学者で、歴史上の英雄達の心理などを専門家達と一緒にひも解いて行くBSの「英雄たちの選択」に司会者・解説者として出演されています。
私も大好きで毎週録画して観ているんですよ。
araraさんのお話で私も改めて本を読んでみたいな、と思いました。
イエティ1号
2018/04/04 15:31
彼は歴史学者と言ったほうが良いのでしょうね。それでもあの説得力はすごいと思います。益々明治維新のころの人々の暮らしに興味を持つことになりました。いくつになってもこういう知識欲ってあるものなんだな〜と自分でも驚いています。映画も一度見てみたいと思っています、チャンスがあれば、ですが。
イエティ1号さんへ
2018/04/05 02:49

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